EXILEとONE PIECEには気をつけろ、と事務所でスタッフとよく話していた。

アゲと気合、そして関係性こそ全てだ、という価値観には、常に自覚的であろうみたいな感じだ。

僕は、EXILE的なもの、ONE PIECE的なもの、に違和感を感じていた。

ただ、違和感を感じながらも、どこかで憧れてしまうような感じ。

これがなんとも気持ち悪く、EXILEとONE PIECEへの警戒感が高まるばかりだった。



斎藤環さんの『世界が土曜の夜の夢なら〜ヤンキーと精神分析〜』という本を読んだ。

この本は不良という意味での「ヤンキー」について書かれた本ではない。

ファッションとしてのジャージ、ゴールドのネックレス、ヴィトンのバッグ、ドン・キホーテ、サンリオ、車のダッシュボードのムートン、ヌイグルミ、ショッピングモール、EXILE、矢沢永吉、GLAY、浜崎あゆみ、クローズZERO、ROOKIESなどの映画

これらの言葉から、ほんのりと浮かび上がってくる「ヤンキー」のイメージ。その「ヤンキー」だ。

個人の美意識に潜むヤンキー性を、いろいろな事例(音楽、漫画、芸能界、ドラマなど)から明らかにしていく、という本である。

このヤンキー性は日本の文化形成の過程にも見られ(古事記などにも言及している。)、日本文化とヤンキー文化の関連性みたいなのも述べられている。日本文化形成の過程にも「アゲと気合」というようなものが見られるということだ。

が、最後のほうは学術書っぽくなっていて難しく僕には読み切れなかった。

なので、印象的だったところだけを紹介する。

例えば、本書ではキムタクはヤンキー的なもの、とされている。

キムタクはヤンキー文化の最も洗練されたスタイルの体現者である。彼の不動の人気の理由もそこにある。僕はキムタクに、ヤンキー美学の理想形をみる。


そして、キムタク語録から、下記のようなものが引用されている。

「後に何も残らないぐらいの燃焼。仕事は『最高の遊び』と思っていたい。」
「あがいている自分が好き。無理だと思っていることにチャレンジしているときが、やけに楽しいのよ」
「魅力的でいるために必要なこと?う〜ん、ちゃんと笑う、心底笑うときがあって、心底悩んでいるときがあって、心底楽しめるってことじゃないかな?」
「生きていればさ、いろいろあるよ。特別に寒い日だったり、特別に暑い日だったり、特別に波がいい日だったり、特別に機嫌がいい日だったり……その時々で、『イェーイ!』っていう感動があれば、それでいい。」

キムタク語録から、著者は相田みつをを連想する。


 「語録をみて、僕がまず連想したのは、『相田みつを』 ではないか、ということだった。まず、徹底して 『ベタ』 であること。いずれの言葉も背景に高い知性を感じさせつつ、アイロニカルな感性をみじんも感じさせない。意外なほど現実志向、実利志向が強く、今日からでも活かせそうな効能がある。内容は真摯かつ実用的だが、そのぶん自己啓発的な印象もある」


というような感じで、ヤンキー性の分析が進んでいく。

著者はこのヤンキー性を否定はしていない。あくまで、「ヤンキー性とは何か?」という問いに対しての答えを様々な事象から分析していくだけだ。


僕は、このような分析的な視点は対人援助においてとても大切なことだと思っている。

そしてそこで分析の対象になるのは、自分自身だ。

初めに書いた、僕自身が感じているEXILEとONE PIECEへの違和感も、この本を読んで少しわかったような気がした。

僕はいつでも斜にかまえていたいタイプだ。中2病的といえばそうなのだが、そこは自覚しているので許してほしい。

それでも、高校生のときは相田みつをの「幸せはいつも自分の心が決める。みつを」みたいなのに純粋に感動していたりしていた。高校生のときに限らずそれを最上の価値観だとしばらく思ってしまっていた。

ただやはり対人援助の仕事をしていると、自分にとっての最上の価値観が周りの人にとっての最上ではないことは良く起こる。それでいろいろとうまくいかなかったこともあった。

自分の無自覚な価値観が邪魔になることもある。正論は凶器になることもある。(最近のあそーとの会議で出た名言だ。)

過去の押しつけがましい自分の態度(ヤンキー性への無自覚な信望)への嫌悪感が、EXILEやONEPIECEへの違和感になっているような気がする。

そして、こういう自分の真面目なことを書いた後は、

「こういうことを語るのが一番意味のないこと。」「誰が興味あるねん。」と自分のblogのことを評したくなるくらいに、僕はまだまだ中2病だ。(斜に構えたいという意味で。)

そういう"斜に構えたさ"が、EXILEやONEPIECEの"ヤンキー性=ベタさ"に抗うのだろうと思っている。

そして、ちょっぴりのヤンキーへの憧れみたいなのもあるのだろうなと思う。

このブログだけでは「ヤンキー性」が全然わからないと思うので、興味のある人は読んで下さい。cocoaruに置いてます。